冬の多肉管理の基本の考え方
冬は、多肉たちにとって
「ゆっくりモードで生きている季節」 です。
- 成長スピードが落ちる
- 水を吸うスピードも落ちる
- そのかわり、寒さ・蒸れ・急な温度変化に弱くなります
だからこそ、
「やりすぎない」「急に変えない」「よく観察する」
この3つが冬管理のキーワードになります。
1. 冬の水やり
● 回数はぐっと減らす
- 夏や秋と同じペースで水をあげると、確実にあげすぎになります
- 「カラカラ気味かな…?」くらいでちょうどいいイメージでOKです
● タイミングは「あったかい昼間」に
- 10〜14時の一番暖かい時間帯 にあげるのが安心です
- 夕方〜夜は、
→ 水が冷たいまま/乾かないまま夜を迎えるので、根に負担がかかります - お仕事をしているので、早朝か夜しかない!休日まで多肉は待ってくれます。一週間、二週間タイミングがずれても大丈夫👌
● あげる前にチェックするポイント
水やりの前に、ここを見てから決めましょう。
- 鉢を持ってみて、びっくりするくらい軽いか
- 土の表面だけでなく、側面までしっかり乾いているか
- 葉全体がふっくら感を失ってシワシワしてきているか
この3つがそろってきたら、
「よし、今日はあげようか」と判断してあげてください。
2. 冬の置き場(ロケーション)
● 基本は「日当たり+風よけ+雨よけ」
冬の多肉の置き場は、この3つのバランスが大切です。
- できるだけ日当たりの良い場所
- 斜めからでも光が入る南〜東側がおすすめ
- 冷たい風が当たりすぎない場所
- 風が直接当たると、体感温度がグッと下がります
- 壁のそば・家の陰など、風がやわらぐ場所に
- 冬の雨はなるべく避ける
- 「低温+濡れっぱなし」は一番ダメージが大きい組み合わせ
- 軒下や簡易屋根の下など、「雨よけできる場所」に
● 地面直置きは底冷えに注意
- コンクリートや金属の棚は、冬は冷えやすいです
- できれば
- 木製の棚
- すのこ
- 発泡スチロールなど
をかませて、直接の冷えを和らげてあげると◎
3. 大寒波の予報が出たとき
● 大寒波のとき「やるべきこと」
- 天気予報で「○年に一度の寒波」「氷点下続き」と言われるようなときは、
「一段階レベルを上げた防寒」を意識します。
具体的には…
- 風よけ・霜よけを強化
- 不織布・寒冷紗・ビニールなどを「ふんわり」かけて、
夜〜早朝の冷え込みから守ります
- 不織布・寒冷紗・ビニールなどを「ふんわり」かけて、
- 地面からの冷えをカット
- まだなら、発泡スチロールや木の板の上に移動
- 鉢を寄せて“団体で守る”
- ばらばらに置くより、ぎゅっと寄せて置いた方が冷えにくくなります
● 大寒波前に「やっちゃダメなこと」
- 直前にたっぷり水やり
- 水を含んだ状態でキンキンに冷えると、
根も葉もダメージが大きくなります
- 水を含んだ状態でキンキンに冷えると、
- ビニールやプチプチを“密閉”して、そのまま外出
- 昼間に日が出ると、中がサウナ状態 → 蒸れ・高温障害の原因に
- 一気に環境をガラッと変える
- いきなり全部室内へ、いきなり暗くて暖かい場所へ
→ 光不足+高温で徒長・弱りにつながります
- いきなり全部室内へ、いきなり暗くて暖かい場所へ
4. 簡易ビニール温室(簡易温室)の注意点
ビニール温室は、うまく使えばとても心強い味方。
ただし、使い方を間違えると 「優しさで枯らす箱」 にもなります。

● 気をつけたいポイント
- 昼間の高温に注意
- 真冬でも、晴れた日は中が30℃近くまで上がることもあります
- ファスナーを全部閉めたまま外出 → サウナ状態になりがち
- 換気は「晴れの日は基本ON」
- 上だけ少し開ける
- 前面を半分開ける
などして、逃げ道を必ず作るのが安心です
- 結露と蒸れ
- 夜〜朝にビニールの内側がびっしり濡れます
- その水滴がポタポタ苗に落ちる → 蒸れ・病気の原因に
- 水やり直後は特に、密閉しすぎないように注意
- 水やりは外よりさらに控えめに
- 乾きづらい環境なので、「いつものペース」だと確実に多すぎます
- 鉢を持って中まで乾いているかを確認してから、慎重に
5. LED管理について(どうしても守りたい人へ)

「どんな手を使っても、この子だけは守りたい」
そんな推し多肉がいる方にとって、LED管理は心強い選択肢です。
● LED管理のメリット
- 暗くなりがちな室内でも、徒長しにくく冬を越せる
- 気温・光の時間を、ある程度コントロールできる
- 寒波の日も、気温の心配が少なくなる
● 気をつけたいポイント
- 光を当てれば当てるほど良いわけではない
- だいたい 1日8〜12時間 を目安に
- 24時間つけっぱなしはNG
- ライトとの距離
- 近すぎると葉焼け、遠すぎると徒長
- 様子を見ながら、少しずつ高さを調整してあげます
- 水やりはさらに慎重に
- 室内は風が少なく乾きにくい
- 「見た目が少ししわってきたかな」くらいまで、我慢してからあげるイメージで
- “全員LED”じゃなくてもいい
- 全部をLED管理する必要はありません
- どうしても守りたいコレクション苗だけ、
「特別室」としてLED下に移すだけでも十分です
6. 冬に「やるべきこと」と「やっちゃダメなこと」まとめ
● やるべきこと
- 日当たり・風よけ・雨よけのバランスを整える
- 水やりは「しっかり乾いてから、暖かい昼間に」
- 寒波のときは
- ふんわりカバー(不織布・ビニールなど)
- 地面からの底冷え対策
- 鉢を寄せて“団体で守る”
● やっちゃダメなこと
- 寒波直前の「たっぷり水やり」
- ビニール温室をぴっちり閉めて、そのまま外出
- 室内に入れたあとも、外と同じペースで水をあげ続ける
- 心配になるたびにちょこちょこ水を足す(=常に湿りっぱなし)
おわりに:本当の優しさは「信じて見守ること」
多肉を大切に思うほど、冬はどうしても心配になりますよね。
でも、過保護になりすぎると、かえって弱らせてしまうことも…。
本当の優しさは、
「この子たちの力を信じて、必要なときだけ少し手を貸すこと」。
このブログと動画が、
みなさんの「やりすぎない冬ごし」のヒントになれば嬉しいです。
「ここが心配」「うちの環境だとどうしたらいい?」という質問があれば、
コメントやDMでぜひ聞いてくださいね😊

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